大 謀 網 漁 業 BACK 参照「金田禎之著 日本漁具・漁法図説」
「大棒網」とは、身網が楕円形又は矩形あるいは6角形をなし、魚の入り口がその一部に開口し、
入り口の開閉を行うための前垂網を有する台網をいう。
大謀型定置漁業の起源は、牡鹿半島を中心に宮城、岩手などの沿岸でマグロを目的として行わ
れたものであり、これが宮城式大謀網として東北、北海道に広まった。
他方、明治39年に宮城県で日高式ブリ大謀網が考案され、又富山県で大正元年に上野式ブリ
大謀網が考案された。明治末期から昭和初期にかけて大敷網に代わって全国に普及した。
しかし、大正末期から昭和初期に落網が出現したため、次第にこれにとって変えられた。
漁 法 例年2月上旬には型入れを済ませ、郡来を期待する。流氷が襲来することもあるので、型
ごと取り揚げる場合の便宜のため錨を使用して定置するものが多い。
網の建て込みが終わると夜間はニシンの群来を待って船頭が一晩中「さわり」でニシンの
乗網をうかがう。業者はこれを守るといっているが、現今はこの守りは用いず、時計を見計
らって、幾たびも網越しをする時間制をとっている。
漁船は1.5〜2トン、動力又は無動力、従事者3〜4人。
漁 期 1月〜8月、11月〜12月(盛漁期3月〜5月)
漁獲物 ニシン、ホッケ、イワシ、サケ、マス
猟 場 産卵のため沿岸に来遊するニシンを主として対象とし、水深13〜20mの海域