はじめに |
新年を迎えると壱月生まれのオジサンはすぐ年をとる。今年(2006年)も例年通り年をとり、老眼も一段と進んでハンダ付けが悩ましい。ロジックアナライザーの製作では、ハードウェアを簡単に作成する方法を探してCPLDを使用したが、それでもユニバーサルキバンを使用しているためハンダ付け個所が多く、メガネを外したりかけたりで・・・どうにかしたいナァと。 それとは別に長年の夢でもあった工作機械を作るということにも挑戦してみたいと、3D CNC 基板製作機の製作に着手しました。しかし、機械加工にはまったく自信がない上に、旋盤もフライスもない。あるのは大枚5000円で買った卓上ボール盤と弓ノコのみ。しかし、皆さんはしっかりしたモノを作っていらっしゃる。旋盤、フライスで金属加工をものともせず、うらやましい。外国の例では、木材などを筐体にしたものがあるが、ドウモ・・・太陽熱湯沸し器の実験では木工細工をやむを得ずしたが、せめてアルミ材で作りたい。Web上の製作例を見ると直動機構が悩ましい。ジャンクのプリンタの直動機構を使った例もあるが、ジャンクのプリンタもない。小遣いが乏しく、大金もかけられない。太陽熱湯沸し器の実験で使用した外径9.5mmのステンレス製パイプ(たぶんタオル架けなどに使うもの)とこれに使用する取付金具をリニアレールの替わりに使って、エイッどうにかするゾ!!!とヤッチャイマシタ。 参考にしたページは下記、マァその他イロイロ・・・・・・ http://www.geocities.co.jp/PowderRoom-Tulip/6529/index.html Time Tripper http://www.geocities.jp/fu1520/CNC.htm CNCプリント基板作成機の自作に挑戦 http://www.natuo.com/ なつおの部屋 http://www.d4.dion.ne.jp/~chaos/ 電子工作室ドリームキッズ |
万力と作業テーブル 主な材料 これがリニアレールだ! 金物の設計図? CNC チョット横から スピンドル部 Z軸 反モーター側軸受け CNC制御基板 電源 自作ロジアナでデバッグ モーター動作をデバッグ スチールカッター 加工してみました |
金物 金属加工をするにも作業台もなければ万力もないので、980円の万力と1500円の作業テーブルを買いました。この万力安いだけあって、最後までしっかり閉めると稼動側がグリッと動いてしまう。マァ、安いから仕方がないか。万力の端面を利用してヤスリをかけたり、弓ノコで切ったりしようとする場合具合が悪い。ヤスリは平にいかないし、切断も寸法通りにならない。腕が悪い?そりゃそーでしょう!ハンダ鏝は昔とった杵柄で、自分の手のようになるが、20代のころ旋盤を回したことがあるが、それ以外の機械加工はほとんど経験がないのだから。 右の写真はワイフが100円ショップで買ったミニ蝦蛄万。長さが3cmの小さなもので、今回これが非常に役に立った。わがワイフは時々妙なものを欲しがる?突然”オトーサン、ノギスない?”とか、蝦蛄万を買ってきたり、不思議な人だ!?しかもこの蝦蛄万、自分では使っていない。 直動機構?そんなものどうにでも・・・というわけで太陽熱湯沸し器の実験で使用した外径9.5mmのステンレス製パイプ(たぶんタオル架けなどに使うもの)とこれに使用する取付金具をリニアレールの替わりにスルゾ!スルンダ!!シナケレバナラナイ!! その他は40×40と30×30のアルミアングル材と単価31円のM8のナガネジ、写真に写っていないが長さ50mmの長ナット、M3、M4のビス多数、モーターの取り付け用に厚さ3mmのアルミ板。 このナガネジと長ナットの組合わせは正解でした。バックラッシュをどのようにしてとるかと思い悩み(?)ましたが、手ではほとんどバックラッシュが感じられませんでした。31円より高いSUSのナガネジもあったのですが、これはバックラッシュがあって、結局安いほうが良かった。細目のM8かM6ならピッチ1mmでちょうど良いのですが、細目のM8は商品がなくM6は細いナァという感じで、ピッチ1.25で妥協。 スピンドル用モーターはハンディタイプのクリーナーをバラシテ、調達。マブチのRS540SHと書いてありました。2足歩行ロボットに使っている人もいるようですが、これは特注品でしょう、反出力軸側にタイミングベルト用のギアが付いていますから。このギアを検出器にして、速度制御してみたい。PIC12F675があればできるでしょう、請う御期待! テーブル送り用のステッピングモーターは秋月から単価700円でかなり前に購入しておいたもの。この日がくるのを予想して買っておいてヨカッタ!!ヨカッタ!!いまは販売していないので。 さて、作るにあたって肝心なものは図面、ハードウエァなら回路図と同じぐらい大事なもの。お見せいたしましょう、左の写真が設計図? ほとんど妄想に近い?!これで金物を作ってしまうオジサンはどういう人ダ!!??そんな訳で、蝦蛄万のところに書いたように今回ミニ蝦蛄万が非常に役に立った。アルミアングル材を切断する、蝦蛄万で仮止めする、穴あけ位置を油性ペン(?)かノギスでケガク。(オッと、そう言えばノギスも980円で買った。100mmでチョット短いが150mmだと突然高くなるのでガマン。)ボール盤でバカ穴をあけ、ネジで組み立て直角度や平行度を叩いて出して、増締めして出来上がり。一度組み立てたらバラセナイ。 2005年10月ごろから、土日の休日のみでなかなか進まず、フゥーーー、ヤッとできました!!! 左右の写真、クリックすると少し大きめに表示するので、前から、後から、チョット横から眺めてください。脇にはみ出しているのはステーで中々カッコイイでしょ?!基板は100円ショップで買った電線のクランプに挟み込んだだけというすばらしさ?! スピンドル部はサンハヤトのミニドリルD-3。このドリル25年ぐらい前に買ったのですが今でも販売しています、息の長い商品です。これのギア部を外してモーターを交換し、Z軸の取り付け部にネジ止め。カバーもギア部を覆う程度に切り、取り付けました。ギアには田宮のモリブデングリスをつけてあります。モリブデングリスって25年ぐらい前、仕事で使ったことがあって、これはかなり優秀なグリスと聞いています。いまはプラスチックモデルの世界でも使っているなんて、知りませんでした。 長ナットをテーブルに固定するのは、100円ショップで買ったグルーガンを使い、樹脂でベタベタ。ステッピングモーターとナガネジのジョイントも同じくグルーガンでベタベタ。結構、しっかり接着できるものでそれなりに駆動できます。2液混合のエポキシ接着剤は取れなくなりますが、グルーガンでの接着は取ることが可能なので、何事かあった場合でも安心です。ただし、ベタベタする前に接着面はブラウンのシェーバー用洗浄液(?)でしっかり脱脂しましょう。 反モーター側の軸受けは厚さ3mmのアルミ板を2枚重ねて穴をあけたものをネジ止め。旋盤がないのでネジ山を切削できないのでネジのままです。このままだとうまくないのでリニアレール(実際は外径9.5mmのステンレス製パイプ)を短く切って、メタル軸受け替りに入れてあります。モーター側も同様に入れてあり、メタル軸受けが飛び出さないように、M8のナットを使ってストッパにしています。反モーター側のメタル軸受けは合成ゴム系の接着剤で接着。その時の気分でやることが違う?! 反モーター側のスラスト方向の受けは、M8のネジ端面にM6のドリルでテーパー穴を開け、SUSボールを入れて受けています。すべての稼動部が金属接触のままでは、カジリなどが生じますから、スピンドル部に使用したモリブデングリスを塗布しました。音が小さくなります、当然ですが。 金物の部はこれくらいで終わり、まだ言っていないことが・・・考えても浮かんでこない(ボケたか、それとも生まれつき?!) ハードウエァ 回路図だけはお見せしましょう。今回はハードウエァだけでなく、すべてにドキュメントなしです、すみませんネェ。(一体だれに対して謝っているのか?オジサンもわかりません?) PICは16F876、パソコンとのインターフェースにADM3202。ステッピングモーター用はFT5457M、スピンドル用は2SK3140。 あとはそれなりにオジサン得意の腐りかけの使い古しとかガラクタを集めて・・・・ 前後左右上下端用スイッチははXYZ軸の端を検出してモーター駆動を停止させるためのもので、写真では判り難いがグルーガンでテーブルや筐体の端に取り付けてあります。 右の写真に示すように、電源表示のLEDと非常停止スイッチを金物の方に設けました。 電源は3電源、ロジック用にゲームボーイ用ACアダプター。3.3Vの定電圧回路が組み込まれていたので、これをバイパスしてトランス出力を直に出すようにして5.7Vを確保。低損失レギューレータなら充分です。スピンドル用はシャープのどうもテレビゲーム用ACアダプターのようで、7.6V1.25A。今回使ったマブチのRS540SHモーターにはちょうど良い感じ。ステッピングモーター用はIBMのパソコン用ACアダプター16V3.36A、ジャンク屋サンで買いました。 ソフトウエァ PICのソフトもすべて自作しました、制御基板も作ったのであたりまえですが。電子工作室ドリームキッズサンの「3軸ステッピングモータ+DCモータコントローラ NCK-3FS 」という手もありますが、それはそれ。 3軸同時に異なった速度でステッピングモーターを回すことができます。 左の写真は自作ロジアナ(Web上では10MHzですが、これは20MHzに改造しました、そういえばCQ出版からメールが来て、トラ技の4月号の付録CD-ROMに収録するとのこと、トラ技しばらく買ってないけど買うか?)でデバッグしているところと、ステッピングモーター単体を実際に回して確認しているところです。左上にあるのがPICライター、右にあるのが30年近く愛用しているサンワのテスターです。 機械を制御する場合、一見正常に動作しているようでも細かいところで不具合があったりで、こうした測定器は必須です。25年以上エレクトロニクスとメカの制御を仕事にしてきた経験からも、機械の制御ソフトの開発にはこうした測定器は必須と思います。 パソコン側ソフト(CAMらしきもの?!)は右図を参照。GコードをLoadボタンで読み込むと制御基板用コードに変換します。Gコードか制御基板用コードをダブルクリックすると、対応する制御基板用コードをRS232Cを経由して制御基板に送り(115200BPS)稼動します。その他手動で動かすためのボタンとかイロイロついてます。CAMは初めてなので、何が必要か手探り状態で作っています。マズカッタラ修正すればイイし、マァこんなものか?!Gコードをチョット直したいという場合のために、テキストエディタを起動して、完了すると修正後のGコードを再読み込みできるようにしました。 ところでサポートしているGコードは、G00 G01 G04 G90 G91 M03 M05 Fだけ。(Sで送り速度を指定しているようなページをみたことがあるが、Sはスピンドル回転数じゃないのかナァ?送り速度はFだと思うが?)G02とG03は2点を通る半径Rの円の方程式とか、大回りと小回りの違いを判断してX、Y軸座標を計算するとかマァ面倒なことがあって、サポートはこれから考えます。 |
ワイフが買った蝦蛄万 スピンドル用モーター CNC 前から CNC 後から 長ネジと長ナット 軸受けとジョイント 電源表示と非常停止SW CAM Gコードの読み込み CAM 制御基板用コード カバーを作ってみました カバーをあけたところ |
纏め 纏めと言ってもまだ完全ではないし、これからEAGLEやNCVCも勉強しなければならないし、鍋CADもやってみたい。Time Tripperサンの木工工作なんかも出来たらイイナァ。お約束の文字切りもやってみたい。 とりあえずTime Tripperサンと同じようにGコードを作成するEXCELマクロを組んで、プラスチック板を削って見ました。オッとその前に小径のドリルは昔のものがあるので、基板の銅箔を切るための0.6mm径も入っていたスチールカッターをホームセンターで買いました。ブロクソンは高いのでなるべく安いものを、それでも1500円もした。1本300円・・・マァそんなものか?! 上の加工したプラスチック板で真中と左上はベルヌーイ螺旋(オウム貝の渦巻き)、左下はX、Y軸を5mmずつ移動しながら左下位置から反時計回りに四角の螺旋で穴あけしたもの。それなりにうまくいっているようでメデタシ!!メデタシ!! どこかのCNC掲示板でカバーの話があったので、”そりゃそうだ”というわけで急遽カバーをつけてみました。1mmのスモーク塩ビ板を石油ファンヒーターの温風噴出し口に近づけて、塩ビ板を軟らかくして両端をほぼ直角に曲げただけのカバー。グニャグニャになってしまった。それでも一応、開け閉めが出来るようにしたのでそれなりにカッコイイか? 今回はこれまで、工房開設1周年の記念事業???????? |