(C)two-way/日本教育技術方法大系第11巻/小学校/3〜6年/図画工作/水彩画 彩色
                        ページ作成者:TOSSアンバランス福島 野崎 史雄

このページは、日本教育技術方法大系第11巻p165 池上勉氏の論文をWEB化したものである。
(彩色の画像は、野崎による)

補色のわかる混色指導
−みんなで12色環をつくろう−


フラッシュサイト(スマートボードで混色、12色環を教える)「色のパズル」へ

混色指導には,いろいろあるが,簡単でしかもわかりやすく,指導後も彩色時に役立つ方法を紹介する。
<図@>


<準備するもの>

○B5判画用紙(図@が印刷されてある)児童分
○絵の具道具一式(筆は中筆がよい)


 手順を以下に示す。
 B5判画用紙を配る(教師はOHPを活用し,図@を投影しながら指示すると効果的である)。

指示1 黄色と赤の絵の具を,画びょうのアタマくらいの大きさで,出しなさい。
パレットの小さな部屋に出しなさい。
指示2 画用紙の黄色とかいてある枠の中を,黄色でぬりなさい。

全員がぬり終わったところで,次の指示を与える。

指示3 同じく,赤色とかいてある枠の中を,赤色でぬりなさい。

ぬり終わったら,いよいよ今度は混色指導ということになる。

指示4 パレットの大きな部屋に,黄色と赤の絵の具を,画びょうのアタマくらいの大きさで出しなさい。
指示5 黄色と赤の絵の具を,同じ量,混ぜて色をつくり,@の枠の中にぬりなさい。

この時,子どもたちに,混ぜてできた色をきくと,「だいだい色!」「オレンジ色!」という答えがかえってくる。

指示6 今,みんながつくった「橙色」と黄色を,同じ量,混ぜて色をつくり,その間の枠にぬりなさい。

 最初に橙色と黄色を混色する。
 最初に,明度や彩度のより低い色と混色すると,筆をよく洗わない場合,ほかの色がにごってしまうからである。
 したがって,燈色と赤色の混色よりも,橙色と黄色の混色を先に行うのである。

指示7 次に,「橙色」と赤色を,同じ量,混ぜて色をつくり,その間の枠にぬりなさい。

 混色の途中で,「橙色」が少なくなったら,各自でつくらせればよい。赤色と黄色の混色練習にもなる。
 ここまでで,「黄」「黄橙」「橙」「赤橙」「赤」の5色が完成したことになる。
 以下,同様に,「黄色」と「青色」の混色,「赤色」と「青色」の混色についても行う。
 順番は,色のにごりを少なくするために,

(1)「黄色」と「青色」
(2)「赤色」と「青色」

の順に行う。
 なお,図@における,A,Bの枠についても,「黄色」と「赤色」の混色指導と同様の指示を行い,活用する。

 ここまでの指導で,12色すべての色が,3原色からつくり出されたことになる。
「黄」から左回りに,順次,「黄橙」「燈」「赤橙」「赤」「赤紫」「紫」「青紫」「青」「青緑」「緑」「黄緑」の12色が得られる。
 色の名前を教えた後,次の説明を加える。

説明1 このように,黄色から黄燈というふうに,色が少しずつ変化していって,また,もとの黄色にもどってきます。
 このような色の輪を,「12色環」といいます。
説明2 12色環では,赤と緑のように向かい合っている色同士を「補色」といいます。
 「補色」の関係にある色同士は,一番強い対比を示します。色をつける時の参考にしよう!

 彩色する時に,この12色環を活用し,めだつ色を決める時の配色の一助とする。

<図A>



 12色環で,混色と補色を指導した後,12色環の外側に,同心円を図Aのようにつけたすと,グラデーションの指導も可
能になる。
 グラデーション指導も,混色指導に準じて,白と各色の中間色をつくり出していけばよい。
 グラデーション指導により,「明度」を意識させることができる。
 
 この方法を用いれば,次の効果が期待できる。

(1) 3原色による混色で,たくさんの色がつくり出せることがわかる。
(2) 3原色によるグラデーションがわかる。
  12色環ができる→少しずつ色がかわり,またもとにもどる。
(3) 12色環で,補色関係がわかる(配色の時,参考になる)。
(4) 3原色に白色を加えて混色すると12色と白色によるグラデーションを理解できる(明度を理解できる)。
◎いろいろな色をつくり出すことができ,色づくりが楽しくなる!!

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